変化の激しい今、有効な業務の進め方として注目される「OODAループ」について、皆様はご存知でしょうか?
「いまいち使い方がわからない。具体例を知りたい」
「PDCAはもう古いらしいが、本当にOODAに切りかえる必要があるのか?」
といった疑問を持っている人も多くいるかと思われます。
そこで今回、OODAループの体制構築やサポートを行なう弊所が、OODAループの使い方や具体例、メリット・デメリットなどを解説します。
OODAとは
OODAループとは、刻一刻と変化する状況で成果を得るために現在、ビジネスシーンの多くで使われているフレームワークです。PDCAと比べて状況への即応性に優れ、変化の早い環境下で、チャンスを逃さないための重要な手法といえます。OODAループは下記の4つのステップを繰り返します。
Observe(観察)
Orient(状況判断、方向づけ)
Decide(意思決定)
Act(行動)
上記の流れで環境に即応するため成果を出しやすい傾向があります。さらにOODAループは「自ら考え動ける個人や、自走できる組織を増やすことにも効果的です。ビジネス環境の変化が激しい場合、成果を出せる行動と組織づくりができるフレームワークとしてOODAは非常に有効となります。
なぜ今、OODAが注目されているのか
OODAループが再認識され、注目されている主な理由は、次の3つとなります。
そもそもPDCAが万能ではない
PDCAは有効で実績豊富なフレームワークです。かと言ってPDCAがいつでも有効なフレームワークとはなりません。そもそも、PDCAは品質(生産)管理用のフレームワークです。
しかし、昨今のビジネス環境は変化が激しく、PDCAだけでビジネスを進めていくと無理が生じることもあります。「PDCAサイクルを早めれば良い」という意見もよく目にしますが、スピード重視の場合はOODAを活用するのが妥当です。もちろん、OODAループもどんなときでも有効というわけではなく、PDCAと使い分けることが理想的です。
AIやSNSの急速な発達
AIやSNSの急速な発達も関係してきます。特定の職業に限らず、人間がやらずともAIに任せれば良いという時代になっていくことは間違いありません。ただし、AIの活用範囲はあくまでも過去のデータが存在する部分のみです。新しい領域ではAIではなく、市場や現場の動きを常に観察しやすいOODAループを活用することが理想的となります。
さらにSNSによって誰でもリアルタイムに顧客の声を収集しやすくなっています。そのため、求められるマーケティングの精度とスピードも増しています。必要なスピード感を維持するためにも、自社でもOODAループをしっかりと回していく必要は今後強くなっていくでしょう。
技術進化によるビジネス環境の変化
予測のできない変化が起きた場合、 OODAであればどの段階でも途中で前の段階に戻って対応することが可能です。OODAループは変化の流れに沿って方向性を変えることができます。そして、ループを再開することも可能です。
そのためOODAループは、状況を見てすばやく判断し、適切な意思決定ができるケースに向いているといえるでしょう。
OODAループの4ステップ
OODAループを構成している4つのステップの内容をご紹介します。
Observe(観察)
市場や顧客、競合などの対象を観察します。変化が激しい市場では、先日までニーズのあったものが別のものに変わっているということもそれほど珍しくありません。早く変化に気づくためには、観察のプロセスが不可欠です。
注意したいこととして、OODAでの「観察」とは、情報を集めることを指します。自分が置かれている状況や環境、市場の動向などの事実を幅広く集めます。そして、固定観念にとらわれないことです。状況をありのままに見て、受け入れることが大切です。
Orient(状況判断)
Observeで集めた情報を分析し、何(どのような状況)が起きているのかを判断して行動の方向性を決めます。状況の判断次第で最終的な行動も変わるため、OODAループの中で最も重要なフェーズとされています。OODAループは何度も回すことでゴールへと近づくため、2回目以降のループでは最初の判断が間違っているかもしれない、といった意識を持たせることが成功のポイントになります。
Decide(意思決定)
状況判断を踏まえ、どのような行動をするかを意思決定します。最終段階のAct(実行)に向けて何をするか、考えられることをリストアップし、最も効果的と思えるものを選択します。これは、観察で得られた情報やその状況判断により、最善と思える行動で最大限の効果を上げるための意思決定です。
Action(行動)
意思決定で決めた行動を実行に移します。実行が終わったら、2周目のOODAループを開始します。
2回目の観察で、1回目の実行によって変化していることに気づく場合もあれば、変わらない場合もあります。どちらにしても観察して得た情報を分析し意思決定するという手順は変わりません。
OODAのメリット
OODAループは、「状況を見てとりあえずやってみよう」を促してくれるフレームワークです。PDCAのように計画立案をしてから行動する、といった段階や順番を守らなければならないということはありません。そのため、現場の状況に合わせた臨機応変な対応がしやすい特徴があります。この特徴から、以下3つのメリットが生まれます。
施策のスピードアップ
状況変化に応じた柔軟な対応
自ら考えて行動する組織作り
計画が、時間経過や市場変化に合わなくなって頓挫するリスクを減らせます。さらに、タイムロスなども起こりにくいこともメリットとなります。変化する市場や顧客のニーズに合ったサービスの提供も実施しやすくなります。
OODAのデメリット
OODAループは基本、各個人が自ら考え行動する手法です。そのため、以下のようなデメリットが生まれます。
中長期に向かない
思いつきや感情で行動する機会の増長
個人や部門毎の裁量によることが大きくなることがデメリットとなります。そのため、はじめに方向性を確認しておかないと誤った方向に進んでしまう可能性があります。
デメリットの解消方法
デメリットを軽減するには以下3つのことに取り組むのがおすすめです。
目的を常に共有する
OODAループの特性上、個々の裁量権が大きくなる傾向にあります。そのため、「組織全体が同じ方向を向いていること」が成功の第一歩となります。リーダーが目標を共有し、一人ひとりの責任を明確にすることで、どのようなものを観察するべきか、実行の判断基準は何かをメンバーに示しましょう。
観察や状況判断は複数の視点が必要
OODAでは、個々の意見や視点の影響も大きくなりがちです。しかし目的は一つであり、個々の意見や視点だけを取り入れていては、目的にたどり着きにくくなります。目的に最短かつ最適なアプローチを用いるためにも、複数の視点を共有しお互いの思考を理解することが重要となります。
定期的なミーティングの設置
OODAループでは、素早い現場の判断・実行が求められるため、初めから成功とは限りません。返ってなかなか成功への道程が見えづらくなることもあります。そのため、個々に任せっきりにするのではなく、適宜、ミーティングの場を設けたり、根幹がずれていると感じた際はその都度、指摘をすることが重要です。
OODAは即応を目指す手法ですが、思い込みや勘違いを防ぐ過程を設けると、精度が上がります。中長期的な計画を立案するときは、結果を確認しながら試行錯誤できるPDCAを使い、補助的にOODAを活用するとよいでしょう。
まとめ
OODAは変化が激しく先が予測しづらい状況において迅速に対応し、成果を上げる手法です。PDCAと異なり途中で後戻りができ、臨機応変に対応できるメリットがあります。そのためOODAは変化の激しい現代のビジネスシーンで注目されており、適切に活用することで競争力を高めたり、ブランド力アップに大きく付与することになります。
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